ガメラ2 レギオン襲来 デジタル・リマスター版 [DVD]
最近、米国で「史上最高の三部作映画」と言うアンケートが行われました。
1位は「ロード・オブ・ザ・リング」で以下「ゴッドファーザー」等が選ばれました。
しかし、日本人の僕にとって「史上最高の三部作映画」は、何と言っても「平成ガメラ三部作」と自信を持って断言します。
衝撃ともいえる第一作は「怪獣映画」という「ジャンル映画」に分類したくない「SF大活劇映画」で冒頭からアドレナリンが出っ放しです。
一転、第二作は日本映画史上初めてと言える「本格的ハードSF映画」(実際、日本SF大賞受賞映画で今のところ映画での受賞は本作のみ)であり又「戦争映画」としても一級品です。
僕の見たどの映画より自衛隊がカッコイイ!!
そして最後は「伝奇ホラー」と「パニック映画」の融合した奇跡の作品で、悲壮美の点では僕の大好きな黒澤明の「乱」をも凌駕しているといっても言い過ぎでは無いです。
しかも三部作の最後としても完璧で前2作で示された伏線が全て解決され、更に何故日本ばかりに怪獣が出現するか?の謎まで解答が分かるのです。
一作あたりの長さも丁度いいので三作一気鑑賞も可能(今やったばかり)で大興奮に浸れます。
本作DVDは大映時代のBOXも持っていたのですが、「乱」のリマスターに圧倒され、こちらも期待できると大人買いをしてしまいました(笑)
結果は大満足。DVDとしてはTHX画質並の最高水準で言う事なし。
もう、これを購入しなければSF映画(敢て「怪獣映画」とは言いません)を語る資格はないです!!
蛇足ですが本シリーズは「金子映画」らしさ爆発の「大美少女映画」でもあるのですが、この点でも、リマスター効果が発揮され女優さんの肌の艶、可愛らしさも旧版より10倍増しです(笑)
アンフェア the answer Blu-rayプレミアム・エディション
私はドラマ版「アンフェア」のファンでしたが、SP1で雲行きが怪しくなり、
それに続く「劇場版1(the movie)」の あまり変さに落胆した人間です。
本作の直前に北乃きい主演の「ダブルミーニング 二重定義」が放送されましたが、
ほとんど本編に絡まない内容であったため、地デジ録画だけで済ませました。
この最終作「アンフェア the answer」はネット上での酷評がすさまじかったので
まったく期待せずに劇場へと足を運びましたが、単にドラマのイメージと異なって
いるというだけの話で、劇場版1より遥かに完成度の高い仕上がりとなっていました。
また香川照之さんも少ない出番ながら、非常に重要なシーンを熱演されていますし、
監督の佐藤嗣麻子さんによる女性視点でのストーリー描写が目立つ作品です。
プロテクトドングルの謎を打破する香川照之氏のIT技術力が神レベルだったり、
予告編インパクト画用に殺される無関係な女性がいたりと違和感もある作品ですが、
そういった欠点を補って余りあるほど、最後に悪党をギャフンと言わせた後、
「○○、馬鹿かお前は…」と吐き捨て→夫婦の絆を見せ→テーマ曲→タイトル→
怒涛の伏線回収しまくり映像群→中島美嘉「Love is Ecstasy」で決めるという
素晴らしい演出が最高に格好良く、有終の美を飾っていると思います。
映画「シックスセンス」のように、1回目より2回目の方が楽しめる映画であり、
実際の国家機密が入ったUSBメモリの行方を考えるだけで面白い傑作邦画です。
ツレがうつになりまして。 プレミアム・エディション [DVD]
自分もうつで結婚4年目の妻と2人で暮らしており
設定からして映画の夫婦に近いところがありますが、
映画での二人のありようが自分たち夫婦のやりとりに近く、
自分たち夫婦は他とは随分違っていると引け目を感じていた為
新鮮な驚きと共に少し気分が軽くなった気がしました。
自分に対して温かく接してくれている妻のありがたさも
改めて感じられました。
映画では泣いたり笑ったりするような箇所もありますが、
全体として私が感じたのは、小津作品の現代版のような世界
だと思わせてくれる非常に心地よい夫婦の空間・時間であり、
まれに挿入される感傷的なシーンが少し余計に感じられたほどでした。
昔からファンだった宮崎あおいさんが妻役を演じていましたが、
原作のトーンを壊さない自然な感じで演じられていて良かったです。
自分にとって非常に大切な作品に巡り会ったと思っています。
ツレがうつになりまして。 スタンダード・エディション [DVD]
映画版が初見でしたが、とても面白かった。が率直な感想。
しかし見る人の立場によって意見が分かれそうだと思いました。
姉が鬱で支える側の僕は、劇中のツレを見て姉の辛さが少し理解出来た気がします。
実際鬱で苦しんでいる人は、この映画を見て元気が貰えるのか、神経が逆撫でされるか分かりませんが、
心を病む人が多い現代社会にはおいて、こういう映画はとても意義のある物だと思います。
余談ですが劇中の宮崎あおいの良い嫁っぷりは凄まじい。
あんな理解者がいればどんな逆境だって踏ん張っていける!だろうなと本当に憧れた。
やっぱ世の中愛だって!!
冷たい熱帯魚 [DVD]
私はスプラッタ映画をほとんど観ない。一方、ノンフィクションのクライムムービーは大好きでほとんど観ている。
とするとこの猟奇事件の映画作品はビミョーな位置付けにある。モデルとなった「埼玉愛犬家連続殺人事件」は
その異常さと残忍さから私は映画化はたぶん無理だろうと践んでいた。が、果たして園子温監督の手に掛かると、
十分なスプラッタに加えてエログロの要素満載でパワーアップしていた。
実は私は事件が発覚するずっと以前に、埼玉北部の地方都市にかつて存在した今回のモデルとなったペットショップ
「アフリカケンネル」に入ったことがある。その時ゾクッとした感触が確かにあったのだが、映画の熱帯魚ショップ
にはそれがない。その理由を考えてみたのだが、実際ではマインドコントロールされ村田に手ごめされた従業員の
若い女の子たちが、映画ではその話が出ないために、ただお揃いのTシャツを着たギャル達に見えてしまうからだと思う。
少しその兆しは見えるのだが、自分の娘がドンドン村田にマインドコントロールされ身も心も絡めとられた結果、
更に社本が精神的に追い詰められるほうが、より怖い話になったと思うのだが…。
最後の15分をカットしてそうして欲しかったが、それではスプラッタ映画の王道を外すことになるのかなぁ?