すすにまみれた思い出―家族の絆をもとめて (ハートウォームブックス)
国によって引き裂かれた母子の叫び、怒り、痛みが胸に突き刺さり、涙を抑えることができませんでした。
差別の悲哀を描いた感動作。異民族の相互理解を問う迫真の物語。
ゾディアック 特別版 [DVD]
監督はあのデビッド・フィンチャー。
「エイリアン3」「セブン」「ファイトクラブ」「パニックルーム」いまだかつて失敗作がない。
今回の映画は、今までの映画と違って実話の連続殺人事件を描いていて、今までのようなMTV的映像感覚は抑え気味。
やはり実話だけあって、食い入って見入ってしまった。2時間45分とちょっと長いところもあるが、見せ場も散りばめられ、最後まで見せる。
ただ、現在も捜査続行中の未解決事件だけに、やはり結末のなさは物足りなく感じる。
でも、この監督だけあって、なかなか質が高くまとまっていて、興味深く観れる。
イノベーションへの解 実践編 (Harvard business school press)
クリステンセンのイノベーション3部作『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』『明日は誰のものか』を踏まえつつ、クリステンセンと著者らでつくられたイノサイトというイノベーション・コンサルティング会社での実践を通じて得られた知見を、方法論として構成した内容を紹介しています。
類書とは異なる本書の価値は以下のようなものです。
持続的かつ自律的な成長戦略としてイノベーションを捉えています。
イノベーションに関する書籍には、イノベーションを単なる新商品開発として定義していたり(空間軸)、イノベーションを一回限りのイベントとして捉えていたり(時間軸)、というように、また、イノベーションのためのアイデア創出に偏っていたり、定型的なプロセスに偏っていたり、というように、イノベーションの一部のみを取り扱っているものが多く見受けられます。
しかし、本書では成長戦略としてイノベーションを位置づけていますので、企業経営においてイノベーションがどのように取り扱われるべきかについて俯瞰することができます。
イノベーションをマネジメントするための整合した方法を提示しています。
既出の戦略論、マネジメント手法、マネジメントツールが数多く登場します。最初は既出の経営理論の焼き直しかと思わせるような印象を持ちましたが、そうではなく、イノベーションを成功させるためにマネジメントはどうあるべきか、ということを踏まえて要所を整理した結果、イノベーションに必要な主要な経営理論が登場し、かつイノベーション用途にカスタマイズされている、ということです。
主要な経営理論・手法を学ばれている方にとっては、よく知っているものが登場しますので、イノベーション用途にどのように再解釈すればよいかがわかると思います。またイノベーション手法を学ばれている方にとっては、経営レベルでイノベーションを検討する際に如何なる経営理論を活用すればよいかがわかると思います。
イノベーションの実例や実践を通じたヒントが数多く提示されています。
本書や理論書などをもとにしてイノベーションを推進していく際に起きそうな個別具体的な問題が大小限らず登場します。これらによってイノベーションを計画する際に陥りがちな問題を事前にある程度把握することもできるでしょうし、実際に問題が起きた際にも「自分たちだけではない」というある種の安心感を得ることもできるでしょう。
なお、イノベーションを推進する人(オーナー・リーダー・メンバー)の能力・経験、人選、体制については重要な鍵であることは訴えていますが、本書はどちらかといえばプロセスに重きを置いている本ですので(それでも前述したとおり幅広いものですが)、人については他の書籍で補完されたほうがよいでしょう。マーク・ステフィック&バーバラ・ステフィック『ブレイクスルー』がお薦めです。
あと、邦訳が少し残念です。経営用語や人名について日本ですでに流通しているにもかかわらず訳者がそれを使っていないことがあります。このあたりはもう一段配慮して欲しいところです。
ヴィヴァルディ:作品集
パノラマ・シリーズには珍しい1人の指揮者による2枚組みです。録音は1970年後半から1992年まで。実は私が初めて買った古楽奏法のCDがピノックのバッハ管弦楽組曲でした。例の有名なG線上のアリアがなんとも頼りなげに。これって2・3流の学生オーケストラじゃんとまじで涙がでてきたのをおぼえています。
2秒以上音を伸ばさなければ古楽奏法もなかなかのもの。「四季」も「グローリア・ミサ」も新しい発見がある。B面のコンチェルトも、ファゴット協奏曲をはじめメロディ豊かな佳曲ぞろい。なかなか楽しめました。
プラネット・ピット(期間生産限定盤)
これは理屈抜きにまず頭を空っぽにして溢れ出す音に身を委ねて、気が付けば踊れる人もそうじゃない人も自然と身体がリズムに乗って動いていた、そんな感じで最高に気分も自ずと盛り上がっちゃう作品です。
バックに流れるシンセの音なんかは90年代のユーロ・ビートを連想させるものもあったりしますが、勿論古臭い感じは全くなく、いい意味で新旧の調和がバランス良くとれていると思います。
「レイン・オーバー・ミー」の「思いっきり雨を降らしてくれないか」「エロいことやっちまってくれよ」とのモロにお下劣で下世話な感じも嫌味がなかったり(笑)、「ギヴ・ミー・エヴリシング」ではフロアを湧かせないはずがないアッパーで見事な最強のダンス・トラックに仕上がっています。
「インター・ナショナル・ラヴ」や「キャッスル・メイド・オブ・サンド」なんかも思わず身を委ねたくなるような気分がアガるトラックです。
部屋で独りじっくりと聴く作品というよりは皆で楽しむか、はたまた車で夜の街をドライブしたりする時に適したアルバムだと思います。