オンリー・イエスタデイ―1920年代・アメリカ (ちくま文庫)
本書は大恐慌前後の米国の社会を活写したものである。
1929年と現在の危機の違いは何か?それは1929年は株式市場のクラッシュだったのに
対して、現在の問題は債券市場から危機が発した点が深刻である。
信用評価・創造機能が大きく損なわれた結果、企業向け貸し出し金利は跳ね上がり銀行による
貸し剥がしが頻発し、倒産が急増。CDSスプレッドは米国も欧州も日本も高止まりし、
Liborが下がっても大手金融機関向け金利は暴騰と信用収縮は一向に収まる気配を見せない。
サブプライム問題発覚から一年を経過した今年秋口から世界的に急激に景気が悪化したように
今回は大きな揺れがその大きさ故に1929年よりもゆっくりと押し寄せているのかもしれず、
本震はさらに一年後くらいに破滅的な威力を我々に見せつけるかもしれない。
もちろん反対にまったく軽微な被害で終わり、何事も無かったように景気が回復するかもしれない。
ちなみに過去二回の世界大戦の10年ほど前に経済動乱が観察されている。
オンリー・イエスタディ (幻冬舎文庫)
著者の人生の断片を彩った個性人たちが、美術館に並べられた名画たち
さながらに著わされています。
個性人とは、誰に気兼ねすることなく自身の人生を情念・感性に任せて
往来する人々のこと。
そんな清々しい人々が少なくなった今だからこそ、
ノスタルジーに浸るのですね。