カロ・ミオ・ベン~イタリア古典歌曲集
もともと讃美歌やソプラノの声楽が好きな方ですが、このたび妊娠しまして胎教もかね夜の就寝時の睡眠誘発のCDを探していました。スミ・ジョーのアルバムはもちろん初めてで視聴して「ここちよさ」に感動し購入です。夜、神経が高ぶっている時や、雨天続きの気のめいっている午後なんかに横になって聞くと心地よく、「深いヨーロッパの森」をイメージします。バロック的でありながら透明感のある声が新鮮な一枚です。声楽好きでなくても胎教に一枚お勧めしたいアルバムです。もう買って2カ月になりますが毎晩聞いています。
Sherlock: Season One [Blu-ray] [Import]
一足お先に、UKで購入しました。英語字幕はあります。
2枚組で、ディスク1には
・A Study in Pink
・The Blind Banker
ディスク2には
・The Great Game
Special Features
が収録されています。
最初、ホームズがとっつきにくい感じですが、慣れてきます。
彼はインターネットや携帯のメッセージ(メール)機能を駆使しています。
緋色の研究をもじったタイトルもありますが、緋色の研究そっくりな内容ではありませんし、馬鹿にした感じでも、パロデイでもありません。
ホームズ、ドクターワトソン、レストレード警部以下おなじみの面々が出てくる現代ミステリーという感じです。
ニコチンパッチを貼っている箇所もあるので、パイプをふかすホームズの姿は見られないです。
設定が色々変わっているので原作が大好き、という方は微妙に感じるかもしれませんが、面白かったです。
所々に小ネタがはさまっています(「この手紙(用紙)はボヘミア製だ!」や、「ファイブピップスだよ!」など。)ので、それも面白かったです。
UKドラマの少し暗い雰囲気がお好きな方なら楽しめると思います。
ホームズの声が少しこもっていて聞き取りにくかったのと、兄とJ.Mはこんなではないだろう!と思ったので★ー1です。
最後、これで終わるの!という終わり方だったので、続きがありそうですね。シーズン1と書いてありますしね。続きが気になる終わり方なので楽しみです。
追記
その後何回かまた見たのですが、一回目の時はストーリーを追うので精いっぱいで気付かなかった面白い点が色々ありました!原作でワトソンの兄弟がいるのを指摘するところが、ここでも出てきます。でもオチがついています。ハドソン夫人が可愛らしいです。笑える部分もちょこちょこあるので見ごたえがあると思います。
菊と刀 (光文社古典新訳文庫)
ルス・ベネディクトの「菊と刀。日本人論として既に古典的な評価がなされているにも係わらず、旧訳本を全巻読み通した人はそれほど多くはないのではないか。かくいう私も内容のエッセンスは見聞きしていていたが、全編通しては読んでいなかった。それが、今回のこの新訳、始めて全巻読み通した。読みやすさで既に定評のあるこの「古典新訳文庫」。本書も同様、こなれた日本語でとても読みやすくなっている。
「応分の場を占める」という表現がよく出てくるが、これは日本人の性質として秩序と階層的な上下関係に信を置くということである。一方、アメリカ人は自由と平等に信を置く、という事から始まって、終始日本とアメリカとの文化面での比較という文化人類学的考察が展開されていく。
日本人特有の特殊な「恩と恩返しに関する一覧表」なるものをベネディクト女史は添付しているが、これは面白い試みである。
「恩」については、夏目漱石の「坊ちゃん」から、坊ちゃんが同僚の山嵐から一銭五厘の氷水を奢ってもらう一件を引用して、「恩」の貸借関係、恩と義理の関係を説明している。ナルホド。そして、日本人の恩と義理の関係の裏には「恥」の文化がある・・・・・。
さらに、「日本では、外界から認められるということが、何にもまして重要である云々・・・・・。」
ベネディクトも、訳者も、そして私も疑問であった点、「なんで日本人は、昭和20年8月15日の天皇の玉音放送後、一転して、一億総米国礼賛主義者になってしまったのか・・・・・。」
ベネディクトは、この問題点を、「日本人の子育て」にその原因を見出しているが、はてさて・・・・・。
ルス・ベネディクトのこの「菊と刀」、1946年の発表後、2年後に著者自身が急死してしまった今となっては、なんともいえないが、様々な物議をもたらしてしまった。しかし、その後いろいろ出てきた日本人論の端緒となった画期的な書物であり、非常に重要な位置を占めているものであることは間違いない。半世紀以上経った今読んでみても、なるほど名著である。
菊と刀―定訳 (現代教養文庫 A 501)
日本人の民族性を、文化人類学を援用して分析し、その行動の裏側にある心理的な裏づけについて述べている大作です。最も印象的かつ衝撃的であったのは、日本人にとって空気のように当たり前で自然に思ったり感じたりしている、恩、義理、人情、恥、などの概念がアメリカには無い、というところです。そして更にそれら概念の心理的な構造を明らかにし、アメリカ人はそんなものが無くても、普通に暮らして行けているのに、日本人はそれら概念に生まれつき苦しめられている、という点です。もちろん21世紀の、特に都会では、それら概念が希薄になりつつあるとはいえ、やはり日本人同士のコミュニケーションの現場では、意識にのぼらない意識として常識化していることを考えれば、本書の存在意義は今も絶大だと思います。また、出てくる事例が古い(第二次大戦前の日本の状態である)ので、ある意味昔の日本の文化的な歴史を知る本としての意味もあります。
余談ですが、本書は通常、日本人論あるいは日本社会論を著した本、と捉えられていると思いますが、私がこの本で最も刺激的で楽しかったのは、日本以外の文化(主に著者の国であるアメリカ)について、断片的ながらもその様子を知ることが出来たことでした。