戦国・北条一族 (Truth In History 17)
著者は私の知人だが、そういうこととは別に本当に良い本だ。中世〜戦国時代の関東のことがよくわかる。関東の古河公方、堀越公方などの位置づけ、関東管領上杉家、それも山内上杉、扇谷上杉と別れていること、それから上杉謙信が性懲りもなく三国峠から関東平野に入ってくることなど、よくわからなかったことが氷解した。まず、室町幕府は日本を2つに分けて支配したというわけだ。一つはもちろん室町将軍家、そしてもう一つが鎌倉公方家。その支配下が関東御分国として、関東と奥羽となる。ただ室町将軍家は鎌倉公方の上と思っているから口を出す。こういう中、中世特有の家督争いがあって古河公方、堀越公方などが生まれる。三管領として斯波、畠山、細川が有名だが、関東御分国の管領が関東管領で上杉家というわけ。西国でも管領細川家に執事として三好氏、そのまた執事の松永弾正と権力が移ったように扇谷上杉家の執事に太田道灌で有名な太田氏、山内上杉家に長尾氏などが権力を持ってきた。
応仁の乱(1467〜1477)が京都であったように、関東でも同様な戦乱「享徳の乱」(1454〜1482)がある。まさに関東大乱、30年戦争だ。このような仁義無き戦争の中だからこそ、中世における権威に頼る風潮も理解できるわけだ。一所懸命で獲得した土地を守ってもらう権威に国人(地侍)は頼ったのだ。昔の戦争では近代国家と違って兵の命を大事にしたと書かれているのも本当だろう。
さて北条氏だが、早雲は京都の室町幕府申次衆の伊勢氏の出身で、姉が駿河の今川氏の正室であり、駿河に下向する。そして伊豆の堀越公方家の内紛を抑えるように京都の方から指示を受けて制圧したことが関東にかかわったはじめである。
伊勢氏は室町幕府の名家だが、関東の権威とは無関係というわけだ。ここから伊勢氏を北条に改姓するなどして関東の権威になろうと苦心していく。そして一方で関東制圧を広げていく。善政をしいたようだ。ただし関東の旧勢力にとっては最後まで北条は「他国の凶徒」となる。一方、関東管領を継いだ謙信は権威として関東に影響を及ぼそうとして関東に出兵する。義とはこのような大義のことだ。
ここで著者は中世における河川、ここ関東平野では利根川(昔は関宿から今の江戸川に流れていた)の役割の大きさを指摘する。なるほどと思う。北条氏の支配圏も利根川以西がしばらく続いた。
かように、不思議と思っていたことが氷解する良い本だ。
ヒミズ コレクターズ・エディション [DVD]
園監督にとって、はじめての原作物。また、前2作の様な過激なセックスも、血まみれのバイオレンスもないけれど、ここには『青春』という甘い響きを打ち抜くヘヴィな爽快さがあります。時代と正面から向き合った切実な葛藤と、未来への幽かな希望。
普通に生きることが許されない少年が、普通になりたいと願ってもがく超衝撃的な青春映画でもあります。
住田と茶沢。ふたりとも両親に愛されず疎ましがられている。二人の間に、性的なものはほとんどありません。純粋に人生について悩んでいる。茶沢には、住田の中に自分と同じ「心の傷」を見ている仲間意識のようなものかもしれません。これはボート小屋の周辺に住むホームレスたちも同じでしょう。物語が進んで行く中で、彼らもまた住田と同じような「心の傷」の持ち主であることがわかってきます。
予告編でも示唆されるのでネタバレしてもいいと思いますが、映画の中盤、住田少年は父親を殺してしまいます。このシーンでは、園監督としては珍しくクレーンを使い、まるで天から見下ろすように、一部始終を長回しで捉えてまいす。
父親を殺してしまった住田は、これからは〈オマケの人生〉だからと、包丁を隠し持って街を彷徨い、社会のダニを始末することで生きている理由を見出そうとします。
そして、死に向かって突き進む住田を、茶沢は必至に〈生〉の側に引き止めようとする。殴り合い、わめき合いながら、絶望と闘う住田と茶沢を、染谷将太、二階堂ふみが、なりふりかまわず、剥き出しの演技で熱演しています。ヴェネチア国際映画祭最優秀新人賞W受賞はダテじゃないです。
二人が自分たちの未来について語り合うシーンでは、内容があまりにも普通過ぎて、だからこそ泣かされます。彼らは、普通の未来。普通の生活。普通の暮らしが欲しいのだ...。
終わらない平和な日常など、もはやない。私たちは終わりなき“非日常”を生きていかねばならない。茶沢が住田に言う「価値観を変えざるを得ないんだよ」というのはとてもハッとさせられた。
泣き、叫び、走りながら、全身で愛を求める住田と茶沢。「ガンバレ住田!」この声がしばらく耳から離れません。
モンスターファーム2
このゲームは、ホントにハマりました。
CDからモンスターをうみだし、モンスターを育てていく、そんなゲームです。
週単位で時が進み、週ごとに、トレーニング、休養などを行い、モンスターを育てていきます。育てたモンスターを、ランクごとに分かれた大会に出場させながら、モンスターを強くしていき、最終的には、ブリーダーランク「名人」を目指していきます。
名人になっても、やれることはまだまだあります。
システムに関しては、前作とかわり少しやりづらいかもしれませんが、慣れてしまえばどうってことはないです。
やりがいのあるゲームです。