A Different Shore
多少音楽に詳しい人でもこのグループ程言葉での的確な表現が難しい音楽はないと思う。
一般の人ならこのサウンドが何であるか言葉では想像さえつかない人も多いに違いない。
かといっていざ聴いてみると、彼らの音楽そのものがとっつき難いとも言えない。要は
あまりにいろんな要素が幾重にも折り重なり、多彩に練られ、深淵で唯一独自のもので
あるだけなのだ。だからこの「音楽」の前では「言葉」がただ無力になってしまう。仮
にジャンル分けが必要ならば「Nightnoise」という独立したジャンルを設けるべきなの
だ。
アイリッシュ系4人のアンサンブルによるこの音楽は、Tin Whistle/フルート、フィド
ル、ギター、シンセ等で成り立っている。内容はインストルメンタルが殆どである。ア
イリッシュ・トラッド(ケルト)をベースに、フォーキー、インプロビゼーション、室内
楽的なクラシカルアンサンブル、etcと正に言葉では言い尽くせない多彩な要素が見事に
アンサンブル化されている。更にウィンダムヒルというレーベルカラーにまとめ上げた
のが音楽の普遍性に効を奏している。実に深くて美しい。
個人的には、フィドルがJ・Cunnighamに入れ替わった前作と本作が名作だと思う。彼の
風貌に合わない?優しいメロディとフィドルが心を打つ。またB・Dunningのフルートの
音色は、多くのクラシカル・フルーティストが出す耳障りな音色が全くなく本来のこの
楽器の音が出ている(C管)。私はこのフルートの音色に驚いた。(尤もこの人もあのJ
・Galwayの手ほどきは受けているのだが・・・)。いつまでも聞き込める本物の音楽を
求めている人は本作と前作は、是非一度チェックしてみて下さい。
※(余談)遊佐未森のアルバムへの参加は、お互いのチャレンジは評価するが、残念な
がらマッチしなかったように思う・・・
Pure Nightnoise
もうずいぶん前ですが、始めてケルト音楽に触れるきっかけになったCDにこんな邦題がついていた記憶があります。それがNightnoiseとの出会いでした。
最後のアルバムである「The Whitehorse Sessions」が97年の発売。それから約10年がたって、久々に発売されたのがこのベスト盤。その直後の2006年7月8日に、Nightnoiseの実質的な要であったMicheal O'Domhnaillが永遠の眠りにつきました。追悼の譜、といってもよいのかもしれません。
もう彼らの新しい作品を望むことはかないませんが、残された音楽の素晴らしさには変わりがありません。今聞いても色あせることのない美しい贈り物に、心から感謝したいと思います。
At the End of the Evening (Repackaged)
At the RacesからNightNoiseをしって買いました。
ケルトにピアノ・フルートが乗っかっている感じで、非常に濃厚な演奏が聴けます。
ケルト好きなら買いです。