高田渡読本 (CDジャーナルムック)
高田渡さんが亡くなって、はや2年経ちました。彼の仲間や友達が高田渡を語っています。高田渡の人生観を、彼の友人や仲間に教えてもらった気がします。高田渡さんの全てはわからないかもしれませんけど、彼を少し知った気になります。
CDガイドの高田渡の音盤は出色です。当時の音楽雑誌に載った記事も出ていてお勧めです。
だからここに来た!-全日本フォーク・ジャンボリーの記録- [DVD]
一昨年より各社から復刻されている岡林音源だが、特に注目だったのがマスターテープを引き上げたURC音源だった。特に個人的だがはっぴいえんどとコラボした「ロックの時代」がなんといっても最高だと思っている。とりわけ1970年の全日本フォークジャンボリー(通称、中津川フォークジャンボリー)は岡林withはっぴいえんどの最高のパフォーマンスだと思っている。前置きが長くなったがそのフォークジャンボリーが記録映画になったというのは有名な話だったが、残念ながらどこで公開されているか判らないまま見られずに今日に至っていた。過去にBSで放映された事があるというのはネットで知ったがそれも見る事がなかった。その「幻の映像」がなんとDVD化される事になった。なんて時代なんだ!これは「自分のためにDVD化してくれた」としか考えられない(笑)というわけで即予約だ。当時の最高のパフォーマンスを映像で見られるなんて今から楽しみでしょうがない。しかし実は岡林だけでなく「五つの赤い風船」のパフォーマンスも最高なのだ。1970年はGSとフォークがロックとニューミュージックに変化して行く端境期でフォークの円熟したパフォーマンスが最高にかっこいい。フォークが拓郎の時代になるのはこの翌年、1971年からだからね。
系図
2005年4月16日、高田渡氏、56歳で逝去。
50歳の僕は、兄か仲のいい従兄弟が逝ってしまったような気がした。結局、朝まで、バーボン飲みながら、お通夜と称してCDを聴き、明け方、プレーヤーを出してLPを聴いた。
「系図」は、今でなら、大騒ぎになりそうなレコード会社移転の後の作品。この後、吉田拓郎、泉谷しげる、井上陽水、小室等の「フォーライフレコード」設立が大騒ぎになったことを考えると、この作品は、もっと大騒ぎされてもよかったのでは・・・・と個人的に思う。
フォーライフレコードに言った連中は、今でも好きだし、支持してるけど、彼らが、その出発点と違って、やたらメジャーになったことが腹立たしく思ったりもした記憶がある。
この一連のマニアリストで記載したけれども、日本の「フォーク」は、フォークソングでもなければ、「フォークロック」の「フォーク」とも違う極めて特殊なジャンルであった。
高田渡は、昭和40年代から時代の変化とか、社会情勢の変化と無関係に愚直に、このジャンルを守った。彼に時代の変化を感じ取る感覚がなかったとは思われない。
彼の、ポリシー。アイデンティティーだろう。
こういう男が居たこと、こういう男とほとんど同時代を過ごせたことを感謝したい。
高田渡と父・豊の「生活の柄」
高田渡が「なぜ高田渡であったのか」を知りたい人はたくさんいるだろう。
この本は、そのことについて「父」という今までになかった視点からの
ひとつの解答を与えてくれる良書だと思う。
「家族への了承」という段取りを踏んでいないのであれば、
それは著者、出版社の大きな過失であるが、
本の内容は家族の名誉を傷つけるものではないと思うし、
そのことで、この本の内容が貶められることはない。
それほど、綿密な取材に基づいた確かな分析がなされている、
何より、高田渡とその父への、そしてその家族への愛に溢れた本だと思う。