最新臨床検査のABC (日本医師会生涯教育シリーズ)
検査データの説明が簡潔にまとめられているため、使いやすい。
ただ、略語の索引はあまり充実していないのが惜しいです。
でも、これ以上に使いやすい類似本がないので、☆5つにさせて頂きました。
心電図のABC (改訂2版)
大学の講義用テキストとして指定されて購入したものですが、その後も折に触れて、分からないことがあったときに辞書的に引いたりして使っています。
心臓の刺激伝導系や心電図の原理についての基礎知識から具体的な読み方まで、一通りカバーされています。「幅の広いQRS」「P波の異常」などの所見毎、虚血性心疾患や不整脈などの疾患毎に、見開きページ単位でポイント、鑑別、典型例などがまとまっていて読みやすいのも長所です。
医療防衛 なぜ日本医師会は闘うのか (角川oneテーマ)
チームバチスタでおなじみの海堂尊が書く日本の医療問題についての本。
選挙において医療問題が争点となることが少ないので、現状の医療情勢を自分たちが選んだと意識していない人が多い。
日本の医療はWHOが世界一と認めているのに、日本人からの評価は非常に低く医療に対して無理難題を押し付けてくる人がおる。
例えば「医者は患者のために24時間最高の医療を用意しろ」、「どんな病気に対しても対応しろ」、「どんな病気であっても完全に治せ」などという要求がなされ、それが満たされないと裁判に持ち込むという現状がある。またマスコミも医者、医療を叩きそれを助長している。
しかし、そんな無理な要求をしても、今の現状で叶うことはないしさらに悪い状態になり結果としてまともな医療が受けられなくなる可能性があるのだ。
是非とも本書を読み、現状の医療の問題点を知り、将来どういった医療政策を選択すべきか考えて欲しい。
医者や医師会を悪者にしても、何にも解決しない(むしろ将来的に自分たちの首を絞めることになる)とういことを知って欲しい。