張込み (新潮文庫―傑作短篇集)
つい先ほどテレビドラマ化された松本清張「張り込み」読みました。短編集で他にも同じく前にテレビドラマで見たことのある「一年半待て」も収録されていましたが、どれも圧倒されるような短編とはいえ清張氏の世界がぐんぐん目まぐるしく広がっているような気がして、総じて結構ボリュームがあったのですが、そう量を大きなと感じることなく、あっという間に読むことができました。どれも人づてに聞いたかテレビドラマで内容をほぼ知っているとはいえ、それでも飽きることなく其々にやはりかかれた時代が今と感覚が違っているところはありますがそれでもぐんぐん進んでいくその世界に目が話せませんでした。推理小説といえば江戸川乱歩ぐらいしか知らなかった私には「顔」とか「声」とかこんな推理小説もあったのかと感心するばかりでした。それと書かれているその知識の膨大さには圧倒されそうでした。「投影」なんて何かもうただ読んでいるだけであちこちの推理が右往左往してただその推理は何となく分かったもののほんとに頭が混乱しそうでした。「カルネアデスの舟板」今一わかりにくい学者の世界でありながらそこに愛憎が入り乱れほんとにあんな風に終わってしまうとは思いませんでした。テレビドラマで大体分かっているとはいえ「一年半待て」原作小説はこんな風になっているのかと感心し、テレビドラマで放映されていたのと連想しながら余計に楽しめたような気がしました。表題作「張り込み」は人伝に内容を聞き知っておりましたが同じくテレビドラマと連想させて余計に楽しみ、原作小説との微妙な違いが更に読む楽しみを増加させるような気がして、面白く読むことができました。テレビドラマと関連させて更にこんな推理小説もあるのかと感心され、やや時代感覚の違いはあるものの、それでも充分楽しめることができました。遥かに圧倒そうであり、清張氏の世界にはまっていきそうです。
DRAMA!
みゆきさん36枚目のオリジナルアルバムは、舞台への提供曲からの抜粋。
どの歌もこれまで以上に、ドラマチックでエモーショナル、感動的な曲が揃っています。
2008年4月上演のミュージカル「SEMPO」への提供曲からの6曲と、2008年12月の「夜会VOL.15〜夜物語〜元祖・今晩屋」そしてその再演2009年12月の「夜会VOL.16〜夜物語〜本家・今晩屋」での使用曲から7曲を厳選して、みゆきさん本人によりスタジオレコーディングして収録したアルバム。
「SEMPO」は吉川晃司主演、日本のシンドラー杉原千畝を描いた舞台で、みゆきさんが初めてミュージカルに楽曲提供した作品。
知らなかった!知ってたら絶対観たのに、観そびれました。
どの曲も映画やドラマの主題歌になりそうな、ドラマチックで盛り上がる歌ばかりです。
そして「夜会」はみゆきさんのライフワーク。こちらは去年も今年も観ました!
この第一幕18曲、第二幕18曲、各1時間・計2時間におよぶ中から7曲を収録。
「9.暦売りの歌」は、第一幕の導入部を飾る明るく親しみやすい曲で、カーテンコールでもインストゥルメンタルで最後まで流れていました。
「10.百九番目の除夜の鐘」は、みゆきさん独特の煩悩は百八つでは終わらない先にある、。
エンディングを飾るのは「13.天鏡」、最高に盛り上がりますが、舞台ではこれ以上に最後の音程が非常に高く歌い上げられていました!
不毛地帯 DVD-BOX 1
私は、中学校三年生の男子です。
みなさんのように酸いも甘いも噛み分けた大人ではありませんが、
レビューを書いてみたいと思います。
友達はみんな、このドラマには興味がなかったようですが、
私は、もう一日中このドラマのことばっかり考えてしまうぐらい、
どっぷりと山崎豊子ワールドに、はまってしまいました。
なにしろ、壱岐正がカッコ良すぎる!
切れる頭、素晴らしい作戦、裏工作、
鮫島など周りの男達の生き様にも引き付けられました。
他のドラマも面白いし、素晴らしいと思います。
しかし、このドラマと比べるとどこか薄っぺらさを感じるものもあります。
不毛地帯は私の人生に革命を起こしました。
出会えて本当に良かったです。
原作も皆さんの話を聞いていると、とても素晴らしそうなので
読んでみたいと思います。
砂の器〈下〉 (新潮文庫)
ドラマの設定はやはり、ハンセン病にしたままの方が良かったんじゃないかなぁと思いました。
今でもハンセン病に対しては、「差別をしてはいけない」ということが建て前になっただけで、偏見は残ってると思います。(他の病気や障害に対してもですが)そこを人権問題に配慮して?設定を変えちゃうことの方が差別かも。と思ってしまうのですが・・・。
この小説では和賀の内面に対しては記述されていませんが、だからこそ
時代背景とか、和賀の生い立ちについて思いを馳せてしまいます。
それにしても、あの殺害方法はホントに殺害出来るの?と種明かしの
場面で思ってしまいました。
松本清張ドラマスペシャル 砂の器 [DVD]
オン・エアを見ました。過去に何度も映像化されている砂の器。今回の作品の特徴は若手刑事、吉村の戦争体験が犯人に疑惑を抱くきっかけとなる事、事件解決のきっかけを次々と作る女性新聞記者、山下洋子を登場させた事。社会的影響、原作者側の意向で、親子が村をおわれた理由は書き換えざるを得ず、その動機の部分と描き方に弱さを感じるのは確かだ。
しかし、松本清張の原作を充分いかしながらも、『2011年度版・砂の器』のテーマは『決して変える事の出来ない「宿命」ではなく』、『忘れる事の出来ない絆、「永遠」の愛である』。テーマと共に物語のキーとなる曲名も「宿命」から「永遠」に変わっている。どうか原作や過去の作品にとらわれず、この作品を見てほしい。起きる事件の大筋は同じでもテーマが違うのだ。映画版は素晴らしい。それはまぎれもない事実だ。
『2011年度版・砂の器』は「個食・無縁社会・孤独死」という言葉を含む現代社会に、「絆・縁・愛」とは何かを問い掛け、罪の意識と愛別離苦を乗り越えて「新しい絆」を持ち始める若い二人は、「2011年3月11日以降の日本」に「希望」を与える。
動機と砂の器というタイトルの意味する部分の描き方が弱かったが、俳優陣の演技力で「星4」、見る価値は充分ある。