GREGORY HORROR SHOW VOL.2-THE SECOND GUEST- [DVD]
この作品は、過去深夜に数分づつで放送されていました。一応ホラーとタイトルにあり多少怖いイメージがありますが、全てのキャラクターが3Dという今まではあまり無いタイプです。インパクトが強く、妙に愛着があります。一度見るとしばらく頭から離れません。
本作は、第二弾と言う事で前作の主人公が男性でしたが本作では女性に変わりました。前作に比べキャラクターが増え、よりグレゴリーワールドが広がります。そして、前作同様にラストが意外な結末で終わります。はたして主人公はどうなってしまうのか?注目です!
Be Good
ジャズ・ボーカルというのはあまり好きではない。CDもほとんど持っていない。理由ははっきりしていて、
女性ボーカルなど特にそうだが、その人の歌唱の向こうに、その人が範と仰ぎリスペクトする誰かの姿が透けて見えて、
その結果、どれも同じに聞こえてくる。スタンダードを歌うと、さらにそう。
でもこのGREGORY PORTERは違う。ジャンルでいえばジャズ・ボーカルなのかもしれないが、
ある時はとてもソウルフルで、ある曲ではフランク・シナトラを思わせる正統派美声ボーカルを披露
(ピアノだけをバックに歌う「IMITATION OF LIFE」など、文句なくそういう世界)、
さらに彼はほとんどの曲を自作しているので、シンガー・ソングライターでもある。
バンド・サウンドが素晴らしい。全曲固定のドラムス、ベース、ピアノ。最初、あまりに彼の歌と融合し、
調和しているので、この人はピアニストでボーカルなのか、あるいはドラマーか、
もしかしたらサックス奏者かもと思った。でも彼は楽器は演奏せず、歌のみのボーカリスト。
録音もすごい。ライブハウスで(昔のBLUE NOTE TOKYOとかの)目の前のマイクスタンドで歌っているような臨場感。
ドラマーのシンバルの細かい音まで明瞭に聞こえてくる。
ジャケットも彼の歌と声の世界をよく現している。
リスナーたちはもちろん、多くのミュージシャンが注目するようになるだろう。
こういう人、最近、いなかった。
PORTERも曲の中で歌っているけれど、マーヴィン・ゲイがジャズ・バンドをバックに歌ったら、こういう感じか。
全12曲を一気聴いて、まったく退屈せずに、頭にもどって聴いていく。
ラストの曲のエンディングは、つぶやくようなN音のファルセット。この余韻。
そしてそれに続く1曲目の開始の音と歌。
最近のヒットは、これと、イリアーヌの『Something for You』です。
悪しき遺産 (上) ブーリン家の姉妹4 (ブーリン家の姉妹) (集英社文庫)
ヘンリー8世の末期、4番目の妻アン・オブ・グレーヴと5番目の妻キャサリン・ハワードの時代です。
第一作「ブーリン家の姉妹」で書かれた物語は、イギリス史の中でも余りに有名な話ですが、この第四作に書かれていることは、4番目の妻が離婚され、5番目の妻が処刑されたことくらいしか知りません。
この二人の王妃に「ブーリン家の姉妹」でも登場した女官ジェーン・ブーリンを交えて、3人の女性の目を通して、ヘンリー8世の治世の混乱ぶりと取り巻き連中の陰謀術策が語られます。
作者は、史実に基づいて人物像を描いたと語っていますが、この時代の知識に乏しい私には判断のしようがありませんが、少なくとも3人の時代に翻弄された女性たちへの作者の愛情が感じられます。
専制君主の時代にあっては、その君主自身の異常な猜疑心は、使える者たちを怯えさせるか、もしくはそれを利用してのし上がろうとするかでしょう。
男たちの勝手な思惑が、3人の女性を穏やかな暮らしから引き離し、混乱の渦中に放り込みます。その中で懸命に生きながらも、その流れに抗しきれなかった彼女らは時代の被害者でしょう。
少なくとも、そうした悲劇性が強く伝わってくる作品であることは、間違いありません。