スマイル:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ロス・ロンリー・ボーイズ
2012年リリース。同年2月に行われた初来日公演の熱も冷めやらぬ中で発表されたフジ・ロック参戦(しかも会場はField Of Heaven!!!)の知らせ。ついに日本でもその実力が知れ渡り始めた彼らですが、本作はそんな彼らにとって初となるベスト盤。グラミー賞主要2部門含む4部門でノミネート、見事最優秀ポップ・グループ賞を獲得したデビュー作から2012年作『ROCKPANGO』収録曲まで、大ヒット・シングル「Heaven」を筆頭に彼らの代表曲や世界中のファン達から愛され続けている定番曲を中心に選出されており、さらには「Heaven」のアコースティック・ヴァージョンやロス・ロボスの「ラ・バンバ」のカヴァーまで収められた現時点における文字通りのオールタイム・ベスト盤。サンタナやポール・マッカートニー等からも愛されるその魅力を、今こそとくとご堪能あれ。
Playlist: The Very Best of Los Lonely Boys (Dig)
ここ最近巷で話題のイキの良いバンド、メキシカンの血をひく3兄弟からなる”ロスロンリーボーイズ”
先日”ロスロンリーボーイズ”の来日公演をBSのWOWOWが生中継するという番組を視聴することができた(生中継するぐらいに今旬の注目バンドなんだろう)。
3人でのシンプルなバンド形態でひたすら演奏、時折片言で「アリガトウ〜」を連呼したりで聴衆をあおるのだが彼らにスターのオーラは感じられない。長男のギター(ヘンリー)はただもくもくと手元を見ながら演奏するのである。きっとマジメなんだろう。あのグラサンもずっとかけたまんまだ。むしろこのバンドの中心は次男のベーシスト(ジョジョ)のように私の目に映った。6弦ベースを操り小太りな体格は貫禄たっぷり。彼は常に笑顔なんだが、会場の空気を敏感に察しながらライブを進めているのがよくわかる。きっとしたたかなんだろう。三男のドラム(リンゴ)はこれまた関取並みの体格で重そうなショットを刻んでいた。
約2時間のライブは熱いものではあったが”魅せる”という点では▲に思えた。ただそれが悪いってわけじゃない。彼らのよさは楽曲のよさにある。
3兄弟とのことで仲が良いのかバンドアンサンブルは大変にピースフルで、かつコーラスハーモニーが楽器演奏以上に良い味をだしている。”チームワーク”という言葉は好きではないが、その言葉がピッタリくるかもしれない。
メンバー構成をみてクリーム、ジミヘン、サンタナ、ジョニーウィンター、スティービーレイヴォーンなど…即興プレイを得意にしタフで達者な演奏とメンバーの個性が際立つ往年の”ロック”の復権を無意識に期待してしまうのは悲しい習性なのか…
ただしこのロスロンリーボーイズ、先にに列挙したロックの偉人たちの系譜になぞられるべきバンドだとは私は感じなかった、良い意味で。
ベストアルバムとのことで手に入れたCDではありますが、基本は陽気なブルースロックといった感じ。3人だけによる頑固な演奏と思いきや曲によりオルガンやキーボード、アコーディオンなんかの音色も加えられており時にラテンにルーツ回帰していたり、激しすぎず重すぎずで、聴きやすさという観点では飽きさせないし聴き手を裏切らない。テキサスの広大な大地と青空を目前にして冷えたビールをあおりたい気分になる^^
やはり1曲目「ヘブン」は彼らの代名詞とも言えるさわやかで良い曲です。全14曲収録で「ラバンバ」のライブバージョンなんかも入っていて得した気分になります。
ロックは進化しつつも成熟しつつある。今やミュージシャンの際立つ個性やルックスなんて音楽とは直接関係はないし重要ではない方向にある気がする。ファッションよりも肝心の”音”が大事だ。気持ちの良い”曲”が大事だ。”聴けっ!”じゃなくて”楽しんで聴いてくださいね”というミュージシャン側の姿勢が大事だ。自己陶酔したギターの速弾きにチョーキングなんていらない。ギターヒーローなんて…いらない
Texican Style: Live From Austin [DVD] [Import]
四谷荒木町のHard-Rock-Bar「TEXAS FLOOD」でこのDVDを見るまでは”LosLonelyBoysの存在もHit曲に”Heaven”があることも知りませんでした。聴きすすむうちにハマッてしまいました。兄弟3人のみ(ギター、ベース、ドラム)とは思えない音の厚みとテクニックの高さ。シンプルかつストロークの効いた南部系ロックをベースにサンタナ風あり、キャッチーな”Heaven”あり、昔ギターを少しかじった当方44才のオヤジに熱いものがこみ上げてきました。ラストのアンコールの曲弾きは圧巻です。American-Rock好きは買いの一枚です!
Los Lonely Boys
ギターは長髪の色男、ベースはすばしっこそうな好青年、ドラムはケンカっ早そうな太鼓腹。絵に描いたようなメキシコ系3人兄弟によるスケールの大きいラテンロックバンド。
ロス・ロボスがサイバー化や音楽的探求の中で失ってしまったフィジカルな側面を思いっきり前面に押し出し、喜怒哀楽のはっきりした楽曲を情熱的に演っている。
ロカビリー調からソウル調、ストリング・チーズ・インシデント顔負けのインプロヴィゼーションで押しまくる(8)まで、音楽的な引き出しは意外にも多い。挙げ句の果てに(12)ではベタなAORのセンスまで覗かせており、これから先、トンチンカンな方向に行きかねない危険な香りも漂わせる(笑)
80年代のロス・ロボスが好きな人は間違いなく“買い”。「デスペラード」のアントニオ・バンデラスに男惚れした御仁にもお勧め。イタリア製のコンヴァーチブルでリゾートをカッ飛ばしたいお姉さんにもお勧め。