肩ごしの恋人
唯川さんのエッセイは共感ができて、着眼点もなるほどとうなずけることが多く、好きな作家の1人です。
今回は小説として初めて読みましたが、主人公の女性2人にはあまり感情移入ができませんでした。
それでもまだ自分の性格とかけ離れているるり子の方が理解できました。
人物設定が単純というか奥深さに欠けているような、そんな印象を受けました。
この小説は恋愛小説というには物足りず、新しい生き方を指南するというのにはちょっと飛びすぎているので、そのあたりを期待しなければ肩のこらない読み物としてちょうどいいです。
チャンスの前髪/人生の扉
「人生の扉」はアルバムDenimに納められていました。詞ばかりに気を取られていましたが、この作品は演奏も素晴らしい。ピアノ中心の静かな出だしだけれど、控えめなベースとドラムスがところどころで小気味良い音をかき鳴らしてくれています。中盤からのスチールギターとリードギターの音色とプレイがたまりませんね。そしてフラットマンドリンの出番。このフラットマンドリンの音は今まで生きてきた人生の出来事を思い起こさせてくれ、これからどう生きていくべきかを考えさせてくれました。本当に身が引き締まるような感じで聴くことができました。終盤の Denim のメッセージが聞こえてきたとき、そうかそういうことだったのかと納得、まりやさんの歌唱も曲と見事にマッチしています。詞良し、歌良し、曲良し、アレンジ良し、演奏良し、世界中のたくさんの人に聞いて貰いたい作品です。
一方、「チャンスの前髪」の方はサザンのハラ坊こと原由子さんがゲスト・ヴォーカルとして参加しており、なかなかいい味を出しています。まりやさんがどちらかと言うと、活発で歌い放つのに対し、優しく包み込むような歌い方、終盤どこから声を出してるんだーと言いたくなるのは私だけかな?こちらも素晴らしいアレンジ・演奏になっています。TVドラマの効果もあり、いい勝負になりそうですね。
肩ごしの恋人 [DVD]
キャリアと恋愛を両立させ、気ままな日々を送るチョンワン。
一生楽に過ごせそうな、無難な男を見つけて結婚したヒス。
ふたりは親友だけど、お互いに相手より自分の方がましな暮らしを送っているという自負が見え隠れして、
三十路女のちょっと複雑な心境が伺える。
原作が日本の小説だから、どっぷり韓流の濃い味付けは期待できない。
海外養子のマルコのエピソードだけが韓国らしいかな?
日本人には違和感があるけれど。
やむを得ず、一時宅配企業に就職したヒスのKYぶりがおもしろかった。
総じてヒスを演じたイ・テランさんがよかった。
イ・ミヨンさんはイマイチかな。
Expressions (通常盤)
御主人の山下達郎氏とのデュエット「Let It Be Me」は初CD音源、レーベルを超えた選曲、
最新デジタル・リマスター、山下達郎氏の全面監修など話題と魅力に満ち溢れた究極のベス
ト盤ですが、個人的には、やはりDisc2からDisc3の驚愕の強力ラインアップはCM、TVドラマ、
劇場映画のタイアップ曲のオンパレードに彼女の凄まじいとも言える才能に感涙してしまう。
このアルバムを聴いて、雑感で申し訳ないが、昔、リバイバルで観た映画『追憶』を思い
出しました。ロバート・レッドフォードとバーブラ・ストライサンド共演で大学で恋に落ち
た二人は愛を育み、気のおけない仲間たちと過ごし、卒業、同棲、すれ違い、別れ、全てを
ドラマティックに描いていた映画でした。
そう!このアルバムは聴く人にドラマティックに歌詞の中の主人公の人生を、時に客観的
に、時に共感させ、映画のような映像を見せてくれる至宝と言っても過言ではないアルバム
なのです。
肩ごしの恋人 DVD-BOX
原作が直木賞受賞作でしたので興味を持ちました。
主人公の萌は原作から少々年齢が進んでいて、30歳独身。米倉涼子さんがまあお綺麗です。
親友のるり子に高岡早紀さん。
好対照な二人の女性のやりとりを軸に、家出の高校生。野心家のサラリーマン。新宿二丁目のゲイバーのブンちゃん達が加わって、厚みのあるドラマに仕上げられています。
自立した(とみられている)独身女性のなかなか周囲に理解されがたい心理が描き出されたと思います。
そして、当初予想していなかった意外な感動が待っていました。
・・・ということで、筋書きはご遠慮いたします。
親友るり子が語る「将来を悲観的にみるのが現実的なの?将来はどうなるんだかわからないんだから、悲観的に考えるより楽観的に考えたほうが良いんじゃない」というセリフはドキっとさせられました。