真夏のキリギリス
実はこの曲を知るまで、 怒髪天 を知りませんでした(笑)
メンバーのプロフィールとかを見ると、なんと同世代!!自分の年代より、若い世代が次々とヒットを飛ばしていく中、この「 怒髪天 」は泥臭くて、いまでは真夏のキリギリス以外の曲も楽しませてもらってます。
本当にあのエネルギッシュでいつまでも暑かった(熱かった)80年代の思春期を思い出させてくれて、ありがとうといいたい。
カップリング?も最高でした。いつまでも耳から離れない。お勧めです。
こどものための読み聞かせ えほんであそぼう 3 (三びきのこぶた/おおかみと七ひきのこやぎ/ありときりぎりす)
親戚の子供(3才)へのプレゼントに購入。正直なところ、もし、自分に子供がいたらDSなんかより絵本で十分と思っていたのですが、こんなに夢中になってくれるとは思いませんでした。
はじめは、音読をききながら、話しかけてあげたり。はやく次のページを見たがります。
慣れてくると、自分でタッチペンで画面のいろんなところをタッチして、音がしたり絵が動いたりすると大喜び。自分に子供がいないこともあり、子供とのつきあいは苦手なほうなのですが、ただの知育ソフトというよりは、親子(または大人と子供)の立派なコミュニケーションツールとして機能しているようです。
こういう、ゲームとはちょっとちがう、あたたかいソフトがふえるといいな、と思いました。
嘘ばっか 新釈・世界おとぎ話 (講談社文庫)
おとぎ話の再解釈と言ったら、皮肉っぽいものやウイットの効いたものを思うかもしれない。けれどもこの作品集は、佐野洋子独特のからっとした文章で、ふしぎな叙情性に満ちた世界を創り出している。
たとえば、「ありときりぎりす」。しゃにむに働くありの父親を「おやじは大したもんだ」といいながらも、息子は、ほそい、胸をかき乱すような音を出したきりぎりすとその音楽のことを、きりぎりすが死んだ後も忘れることが出来ない。
あるいは「養老の滝」。脳卒中で倒れた父親に酒を運ぶ息子のことを「そうしたらはやくやっかい払いが出来る。うまくやるもんだ」と、隣の息子はののしる。同じく寝たきりの親を持つ二人の息子の、ふたつの選択とは。
善悪はっきり割り切れているはずのおとぎ話の世界で、!決して割り切れるものではない人間性を、しかも大上段に振りかぶることなく描き出している。
きりぎりす (新潮文庫)
時代には片っ端から読み漁った太宰治。御多聞にもれず年を取るにしたがってすっかり離れてしまったが、この短編集に収められている「佐渡」と「水仙」には今読んでも感心させられる。日常の出来事をそのまま綴っただけで芸術品として完成してるところがよい、などと言うと志賀直哉が自著の「和解」を自画自賛したときの言葉を思い浮かべるが「和解」はとにかく「佐渡」は確かに単なる紀行文ではなく上等な香り高い短編であり、「水仙」には長編小説をまるごと読まされたような充実感を味わわせてくれる。しかし今読み返してみると最後の場面で「僕」が水仙の絵を粉々に破いてしまうのは何だか行き過ぎた作り話だと思ったがどうだろうか。いずれにしろこの2作品はビートルズにたとえればジョンとポール、ジャイアンツに例えれば王と長島、この二人がそろってるだけで「きりぎりす」は永久に不滅です。