ダーティハリー3 [DVD]
この作品が公開された70年代半ばは、アメリカでは“ウーマン・リヴ”なる運動が盛んで、女性の社会進出や人権が変革の過渡期にあった。
製作者サイドとしては、あえて流行を取り入れたわけでもなかろうが、結果として当時の世相をからませた仕上がりとなっている。
その証拠に、ハリー・キャラハンの相棒役として、初の女性警官が登場するのだ。
殺人課の前線で働くハリーに対し、もともと資料課のデスクワークしかやったことのない女性警官とのからみは、ユニークで好感が持てる。
ラストは陰鬱さを残すものだが、これもまた70年代的で申し分ない。
女性が少しずつ社会進出してゆく一方で、まだまだ障害の多かった世相を、厭味なく反映した作品だ。