ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
これからこの長い読み物の世界に入ろうとされる方へ。
ローマの建国から語り起こされる塩野版ローマ史は、高校教科書にプラスした編年的雑学知識を得るには、専門書のように堅苦しくなく、お薦めといえます。
ただ、読むにあたって3つのことに留意していただきたいと思います。
まず、これでもか!というくらいの悪文です。熟語の使い方から「てにをは」に至るまで日本語の常識とは一線を画しています。ときには半ページも遡って「自分の日本語」に翻訳する必要に迫られます。それら独自の表現・用語・文法が常用され、読む際の強いストレスにすらなります。
2つ目は、ローマ史を語る際の著者の批判的視座が見えず、それも「古代ローマとその指導者たちはとにかくステキでいつも正しいのよ!」と言いたいのではないかと思えるほど単純明快なローマ万歳の書です。そしてその論拠として常に引用されるのがマキァヴェッリ(マキャベリ)で、ローマの敵たちも現代社会もマキァヴェッリの言葉を引用して痛快この上なく一刀両断されていきますから、本書にも頻用される著者のお好きな言葉で言えば「微笑を禁じ得ない」ものです。
最後に、上記のような単純マキャベリズム史観?でもあるせいか、主に「ローマ人『指導者』の人物史」であってローマ社会を立体的に述べたものではありません。例えばローマ市民は、著者が思い入れた指導者の政策や選挙に市民集会で賛成あるいは反対するマスとしてしか登場しません。また、随所に「研究者は○○○だというが、私は△△△ということもあったと思う」と著者の見解が「既成ローマ史アカデミズム」?への批判として対置されますが、ほとんどの場合、納得できる論拠が示されることはありません。言い放しです。概して著者の「我が心のローマ英雄史」と心得るべきでしょう。
こうした点を理解した上で、物語型の年表として利用するなら、ベッドに寝っ転がって読める、そしてときには手に汗握る(とりわけ第2次ポエニ戦役やガリア戦役)ところもあり、なかなか面白い作品だと思います。
Good Luck
いつも成功したいと口ばかりする私はある日、友達から「Good Luck」という本をプレゼントでもらった。最初、何の物語だと思ったが、読んでみたら、今までの考えをすっかり変わらせる小説だった。この本から、自分の人生は自分にしか作ることはできないと感じ、成功の9割は、信じる気持ちから生まれる。また、幸運というものは、神様からくださるのではなく、自ら動かない限りは決して訪れないものだ。つまり、幸運の鍵は自分の手にしか握られていない。同じものでも、異なる視点から違うものが読み取れる。それによって、結果がαになる。だが、地道に努力し、下ごしらえをすれば、必ず成功にたどりつく。
この本は早くも世界50カ国19言語で出版決定。特に難しい言葉や語彙がなくて、外国人の私でも、読みやすかった。読み返す価値があるので、ぜひお勧めします。
バカの壁 (新潮新書)
養老氏の独白を文章化したものであって、
養老氏の思うところがつらつらと述べてあります。
基本的に現代社会の危うさを啓発したいとの思いがあるようです。
批判の理由付けとなっているのは養老氏自身の経験(常識)です。
だから、戦前戦後といった養老氏と同世代の方は彼の考え方に共感するかもしれませんが、その世代でない私にとっては、そうですねえ・・・
お父さんが子供に対して話す世間一般についての哲学的な教訓と受け取れました。
たとえ共感できないとしても、違った時代を生きた先輩がどう考えているかを知るのは今の時代を知る・自分を知る、という意味で結構重要なんじゃないかと思うので、一読してみるといいと思います。短いので簡単に読めますよ。
かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)
昔から他の人とは違う生き方をしたいと漠然と思っていました。そんな時に出会ったのがこの本「かもめのジョナサン」です。
かもめのジョナサンは生きる事の意味、生き方を教えてくれました。他の人とは違う生き方でもいいんじゃないか。自分の気持ちを押さえてまでやりたい事を我慢して周りの人に合わせて適当に生きていても、つまらない人生を送るだけ。他人とは違っていても自分らしく自分の進みたい道を行く方が生きる価値、生きる喜びを感じる事が出来る。
そして私はジョナサンのように自分の道を進んでいます。今の私の生き方は他の人から見れば、ちょっと変わった人だと思われる事もあります。でも今の生き方を選んで良かったと思うし、満足しています。すべてはこの本のおかげです。
涙のふるさと
「銀河鉄道」でも思ったんですが、
なんだかBUMP OF CHICKENは
あったかい歌を作るのがうまくなった気がします。
前のBUMPは、たとえば「とっておきの唄」とかでは、
ちょっと強引な優しさと、かっこよさがあったけど、
「涙のふるさと」は、聴いてる人を包み込むような、
そんな暖かさが漂う感じ。
曲、詞とともに、雰囲気が落ち着いてきた気がします。
初めて聴くときの衝撃は、初期のシングル曲ほどじゃないかもしれないけど、
曲の世界にじんわり浸れると思いますよ。