俺たちのメロディー(4)
このような企画盤はどのような収録曲が含まれているかによって購入者の希望は多種多様となります。ごく稀にあるのが、目的曲を期待して買ったのだが、いざ聞いてみると忘れていたはずの名曲に偶然出会ったという喜びです。タイトルや収録番組との関連性を忘れていたらなおさらです。その分企画4回目のこの回では収録曲数が少ないのでいささか購入時に迷いが生じました
傷だらけの天使 Vol.3(Blu-ray Disc)
脚本家市川森一氏が亡くなった。
TVドラマの世界で、40年以上のキャリアを誇り、TVドラマが、俳優や演出家でなく、“脚本家”の名前で、視聴者の間で語られ始めた時代のトップ・ランナーとして、例えば、倉本聰とか、山田太一らと並び評された脚本家であった。
氏の代表作は数多くあるし、氏のドラマを愛した者たちそれぞれに思い入れがある作品は異なるであろうが、個人的には、何と言っても、TBSの「淋しいのはお前だけじゃない」と「ウルトラマン」、そして、もちろん、NTVの「傷だらけの天使」、この3作に尽きる。
この3作に脈々と流れるイズム、それは、「淋しいのはお前だけじゃない」のレビューにも触れたが、社会的弱者のみならず、社会の中で堕ちこぼれ、どうしようもなくみっともなく生きている者たちへの共感であり、優しさであり、おかしさであり、切なさであり、激励である。
深作欣二、神代辰巳、工藤栄一ら映画界のカリスマ的個性派名監督たちが演出し、井上堯之バンドによるあの名テーマと共に、メンズ・ビギで着こなしたショーケンが、廃墟と化したマンションの一室で、コンビーフや魚肉ソーセージをパクつきながら、牛乳でそれを流し込むという挑発的かつ刺激的なあのオープニング・タイトルで始まる今シリーズは、水谷豊との神話化した名コンビぶりと名セリフに、岸田今日子、岸田森の実姉弟との絡みで、今も語り続けられているが、いかにも胡散臭く怪しげな興信所を舞台に、毎回登場する人物たちを巡る“人間ドラマ”の数々は、正にあの時代と世相を切り取ったものであり、熱いスピリッツを感じさせる。
「傷だらけの天使」戯曲集のあとがきで、氏は、自分にとって「傷だらけの天使」とは何だったのか、と自問された事があり、数年後、「傷だらけの天使」の脚本を読み直してみて、その中に、答えを見つけたと書かれている。
パイロット台本として最初に書かれた「自転車泥棒にラブソングを」の、ファースト・シーンの第1行目のト書きに答えはあった。
〜 “鳩が、糞をたれて、飛び立つ” 〜
鳩=平和のシンボル。即ち、平和の糞。70年代の繁栄が垂れ流した糞。「傷だらけの天使」とは、正に、そのようなモノであったのだ。
最終話で、亨を失い、生活の場も失いながらも、まだまだ墓場には行かねぇぞ!と、夢の島で絶叫する修の後ろ姿のラスト・ショットと共に、氏が構築したドラマの数々は、ずっと心に生き続けるだろう。
謹んで、お悔み申し上げます。
俺たちのメロディー
「探偵物語」は、もちろんリアルタイムで(中学生の頃)見ていましたが、今もCATVなどで放送されていると・・・必ず見ます。これまで何度再放送をみてきたでしょう。私にとっては心にのこる大好きな番組です。このアルバムは、そんな思いを満たしてくれる素晴らしいMUSIC FILE です。工藤ちゃんがべスパで走っていたり・・・ハットリ&松本刑事の名コンビ、ナンシー・かおりのいろんなシーンが思い浮かびます。繰り返し聞いています。
本棚探偵の生還
ついに本棚探偵が還ってきた。
前作からずいぶんと時間が経過しているので、再会が嬉しくてたまらない。
今回は国内を飛び出して世界の古書店にも足を伸ばしており、そのスケールに驚かされた。
さてこの本、内容の面白さは勿論のこと、造本の素晴らしさで知られている。
函入りで、二冊組で、月報が豆本に変身と、あふれる贅沢な遊び心。
電子書籍が幅をきかせ始めた時代に「手で触ってみたい」と思わせる本の素敵さよ。
文庫化を待つのもいいが、これは豪華本のほうが楽しめると思う。
読んで触って、二度美味しい一冊である。
傷だらけの天使〈上巻〉 (新風舎文庫)
リアルタイムでTVを見る事は出来なかったが、地方でも再放送を何度も見る事が出来、ビデオを借りDVDも買い何度も繰り返しみたドラマ。古本屋で高値の脚本?だけ手にいれることが出来なかった。それが文庫版で買えるとは。
読み終えた後、おもわずDVDを見直した・・・。やはり最高だ!修も亮も。この上下巻は、市川森一の脚本のみなので全話ぶんの脚本が欲しくなる。どこかで文庫化ならないものか?お気に入りは「ヌードダンサーに愛の炎を」室田日出男がたまらない。